稲
鹿児島オリジナル米
     「あきほなみ」デビュー



 実りの秋! 日本人なら、やっぱりおいしい新米を楽しみたいですよね。この秋、鹿児島オリジナル米として、新しいお米が誕生しました。早くもそのおいしさが話題です。


あきほなみ
鹿児島の気候に合った新品種を開発
お米

 秋に収穫される普通期米。鹿児島では昭和のころまで幅広い品種が栽培されてきました。しかし宮崎で平成元年、ヒノヒカリが生まれるとその栽培が急増。今では9割弱をヒノヒカリが占めるようになりました。
 西日本を中心に全国で栽培されているヒノヒカリは、お盆過ぎに稲穂が出る早生品種なので、温暖化が進む中、鹿児島での栽培は難しい面も出てきています。
 「鹿児島の気候に適合した、鹿児島でしか手に入らないおいしく、作りやすい県民米が欲しかった」とJA鹿児島県経済連米穀特産課。
 夏の高温やイモチ病に強く、収量を多くするために、ヒノヒカリより収穫時期が10日ほど遅い米を追求。そうして誕生した米が「あきほなみ」です。秋にたわわに実った稲穂が波打つイメージで命名されました。
 香り・光沢・粘りといった食味がよく、粒も大きくてしっかりとしたお米となっています。

主婦3人が食味テスト。新しいおいしさで大好評!
 生まれたてのお米の味を試してもらおうと、鹿児島県内在住の主婦3人に食味テストに参加してもらいました。
 「蒸したてのもち米が大好き。うるち米はコシヒカリ系がいいですね」と話すのは、藤原由紀子さん。「ご飯だけでもおいしく食べられるお米が好きで、わざわざ産地から取り寄せています」とこだわりを見せる神宮司迪予さん。そして袴田理奈さんは「夫がスポーツをしていて、2人で1日9合も食べます。味はもちろん価格も大切」といいます。
 テストでは従来品種と「あきほなみ」を、炊きたての状態・冷たくなった状態でそれぞれ比較。すると、3人がそろっておいしいと答えたのは、新登場のあきほなみでした。
 
「今までのお米も良かったけど、あきほなみはさらに甘くてモチモチ!」「この味で値段がヒノヒカリ同等なら良心的」。味と価格に厳しい主婦たちもうならせる、あきほなみのおいしさでした。

主婦3人が食味テスト


「多数の育成稲を、“姿”で覚えています」
  〜10年の歳月をかけ、あきほなみ育成〜
若松謙一さん
 あきほなみの育成は平成11年にスタート。誕生には10年を要しています。新しい品種は、どのようにして誕生するのでしょう。あきほなみの生みの親であり、鹿児島県農業開発総合センターで作物研究室主任研究員(当時)を務めた若松謙一さんに話をうかがいました。

 ◆あきほなみは、コシヒカリとヒノヒカリをベースに、さまざまな品種改良を加えて誕生。完成までには10年もの歳月がかかっています。

 ◆多くの掛け合わせから生まれた稲の育ち具合を観察し、優秀なものに更に別の要素を掛け合わせ、地道に育成。その過程で多数の種類が誕生しますが、それらを「子どものように姿≠ナ覚えています」と若松さん。緻密な研究をうかがわせます。
あきほなみの食味調査
 ◆あきほなみで追求したポイントは、粘り気のある味の良さ。粘りのある米はツヤがあるため、研究初期から炊飯時の光り具合にも注目。米粒をわずか25tのビーカーに33種類も入れて同時に炊飯、虫めがねで光沢のあるものを選抜する作業を重ねました。5年目ごろからは、9月〜3月にかけ、毎日12個のシャーレで少量ずつ味見したそう。

 ◆そうして生まれた、この品種。数ある候補稲の中から平成20年鹿児島県の奨励品種に採用され、今年からJA伊佐・JAさつま管内を中心に農家による本格的な生産も開始。今秋の発売となりました。

 ◆これまで多くの品種を生み出してきた若松さん。中でも「あきほなみは味が良くて粘りがバツグン」と太鼓判です。




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